もしCipherを紛失して第3者が拾得したとしても、それを読めないようになっている。
私の個人的見解では、Cipherを別に読まれたからといって困るようなことは書いてないと思うし、
暗号化も一つの伝統として護っているだけだと思う。また、儀式の進行は全て暗記を
ベースに執り行うため、暗号化してあることにより、むしろ暗記を助けている役割もある。
私も若い頃、メイソンの暗記修行中は、頭の中で暗号化された文字が次から次へと
浮かんできた記憶がある。私が日本語のCipherを見る機会を得たのはごく最近であるが、
英語のそれと比較して英語の方が暗号の深みや面白さが勝っていると感じた。
Cipherの中で、とりわけ重要度が高い内容ほど複雑な暗号化が施してあり、
逆に広く一般的な事項については暗号化せずにそのまま書いてあったりする。
最も複雑な部分については、それこそ先輩メイソンの教えなくしては絶対に読めず、
Coachingを通じて先輩・後輩の絆が生まれる。
暗号に似た概念で、『サイン』があるが、詳しくは後のエントリーで書くとして、
基本的にサインもCipherの中で書かれていることをベースに、動作で表しただけである。
こういった、メイソンしか知らないような『秘密』が、メイソンを惹きつけて止まないと確信している。
尤も、現在ではもう秘密を守り切れておらず、ネットのそこら中で見つけることが出来てしまうが。。
一概には言えない。お金も時間もある、人生に余裕のある人が集まりやすいという傾向は
あるかも知れないし、寄付や慈善活動を行う人が貧しくてはやっていけないのは確か。
恒常的に掛かる費用というのは、年会費。
ロッジによって料金は異なるが、高くても1万円くらいだろう。
生涯会員(Lifetime membership)制度があるロッジもあり、まとまった金額を一括で支払う
代わりに、余命が長い程(笑)お得である。
あとは入会時に入会手数料として年会費の3倍くらいを支払う必要がある。
名目は3階級それぞれの儀式(入会と昇級×2)のためということになっている。
ちなみに、年会費の支払義務は第3階級になって初めて発生する。
逆に言うと、第1・第2階級で停滞している間は、ずっと無料と言うことになる。
集まった資金の管理はきちんとしていて、切手1枚の支出に至るまで収支報告が行われる。
何も知らない人がネットで『上納金』云々を吹聴しているが、もしそうなら彼らの言う『上層部』
(実際にはメイソンに上層も下層もないが)はもっと高級な車に乗り換えるだろう。
その他に掛かる費用といえば、就任式や懇親のBanquetがあるが、およそ一般の懇親会と
変わらない4~5千円程度。ケータリングや材料費の元が採れなければ、後で千円程度
有志でカンパすることがあるくらい。
定例会議の後に軽食を食べる習慣もあるが、これも有志のカンパ。千円出す人もいれば、
200~300円(笑)チャリーン!って人もいる。
支出はせいぜいこれくらいなので、決してお金持ちである必要はないことがお分かり頂けただろうか。
ごく希に、外国など他のロッジからの要請で、ロッジからの寄付を相談されることや、
救いが必要なメイソン(外国での重篤な怪我・病気にもかかわらず、治療のための保険が
適用できないケースなど)に寄付を行うことがあるが、その時に例え寸志でも出せないほど
経済的に自立できていない人は、メイソンになることはできないと思った方がいい。
この定例会議に参加できるのは、第3階級のマスターメイソンに限られている。
この内容を明かすことは、早く第3階級に上がりたくて頑張っている第1・第2階級の
メイスンに申し訳ないので詳細には書かないが、およそ以下のような感じである。
・議事録確認
・会計報告
・新規入会希望者について色々
・式典のスケジューリング
などなど。
定例会議が楽しくて集まるというより、仲間に会う楽しみで集うという動機の方が強い。
私はリタイアまでまだ時間があるが、既にリタイアしたメイスンには憩いの場だろう。
尤も、職業を持った人の方が多いため、毎月時間を工面するのはなかなか面倒だ。
まして、平日の夜に定例を組んでいれば、多忙なビジネスマンには参加は難しいだろう。
あと、もう一つ付け加えるとしたら、東京のロッジが多く使用する日本グランドロッジの
ブルーロッジは、場所が不便かも知れない。私は頻繁に通うことはないが、日比谷線の
神谷町からも大江戸線の赤羽橋も微妙に歩く。夏の炎天下で歩いたこともあるが、
到着する頃には汗だくになってしまった。
私がフリーメイソンの入会希望者にInterviewを行う際、必ず質問するのが
『フリーメイソンになる(入る)メリットは何だと思いますか?』
つまり『なぜ、フリーメイソンに入りたいか?』ということなのだが、
こればかりは明確な回答は存在しない。
人それぞれ、フリーメイソンに見出している価値観は様々だからだ。
歴史の重みに悦びを感じる人もいれば、
儀式の奥にロマンを感じている人もいる。
多くは世界規模の人脈に価値を見出している。
以前のエントリでも書いたが、そもそもフリーメイソンの成り立ちは『互助組織』。
”相互扶助”が原則の友愛団体(Fraternity)だ。
自分が他のメイソンを助ける義務がある一方で、もし自分の身に何か起きた場合は、
仲間から支援の手が差し伸べられる。
身に何かがおきなくても、例えば外国に旅行した際、訪れることができ、
また迎え入れてくれる仲間がいるというのは、普通に人生を送る以上に楽しい。
或いは、外国からメイソンが訪ねてくれば迎え入れ、そこで新たな友好が生まれる。
このことに価値を見出している人が一番多い・・・とも言えないかな。
これまた以前のエントリで書いたが、10人のメイソンに『メイソンとは?』と尋ねると、
10通りの返事が返ってくるくらい各メンバーの考えは様々なため、
『一番の価値、メリット』を定義することはできない。
これは、自分の友人をメイソンに誘いたいと思っても、その友人が自分と同じ価値観を
見出すとは限らないことを常に念頭に置いておかなければならないということになる。
自分はメイソンになってすごく楽しい、しかし友人も同じ楽しさを感じるかは別、ということ。
大抵は入会希望者は申請前にBanquet等に参加し、西洋風の(日本独自のロッジを除く)
雰囲気の良さに惹かれて入会を希望するものだが。
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