フリーメイソンとユダヤ

仰々しいタイトルだが、この本の表紙のように、ユダヤとフリーメイソンの関連性を
探る動きはかなりしつこい。ソロモン王の神殿や北米の一部ではカバリズムを
教育の題材に使用していることがあるためだと思われるが、はっきりと言及して
フリーメイソンリーとユダヤ教はまったく関係がない。

何度も言うが、そもそもフリーメイソンリーは宗教ではない。

ここで紹介した本はアメリカでかなり支持されている本らしく、中身を読んだ訳ではないので
内容についてはなんとも言えないが、AmazonのReviewがそれを物語っていた。

私がここで言いたいのは、この表紙のように、フリーメイソンのシンボルであるスクエアと
コンパス（Square and Compass）がユダヤ教のシンボルであるダビデの星（David's Star）
を形作っている例をしばしば目にするが、これは本当に呆れてしまうほどのデタラメである。

なぜそこまでしてこじつけたがるのか理解に苦しむが、ぱっと見ただけでもその根拠が誤っている
ことにすぐ気付かないだろうか？

フリーメイソンのシンボルはスクエア、つまり直角定規であり、ヘキサグラムを形成するのは
直角三角形の集合ではなく正三角形である。

スクエアは直角であるから意味があるのであって、三角形であればなんでもフリーメイソンに
関連付けられる訳ではない。そこまでしてユダヤ教と関連付けしたい目的とは何か、逆に問うてみたい。

ヘブライ語、生命の樹（Tree of Life）、六芒星などはフリーメイソンリー共通のシンボルではない。
世界に拡散してできた諸派の中にはそれらを扱うところもあると思うが、それらがフリーメイソンリーを
象徴することは一切無いと言うことを理解して欲しい。