フリーメイソンのモニター

フリーメイソンの儀式や訓辞（といっても儀式の中で述べられる事柄だが）、会議の進行などが
書かれたものをモニター（Monitor；人によってはRitualと呼んだりCypherと呼ぶ）という。

私の最初のモニターは手垢がつき、紙も茶色く変色し、外れたり取れ掛かっているページもあるほど
ボロボロだが、大切に取扱うしそれを新しいものに取り替えることはない。

なぜなら、そのモニターは私がMaster Masonになった時に授けられたもので、
私が第１階級としてInitiateされた日付、第２階級に昇級した日付、そして第３階級になった日付が
入っており、また当時のマスター（ロッジ・マスターの方）の署名も入っている。

そのモニターは私にとってフリーメイソンとしての証の一つであり、ツールの一つという位置付けよりも、
記念品としての重みの方が大きい。

もちろん今でも儀式の一部を担当する時は記憶を確かめるために参照するが、
私の死語に息子が形見として持っていてくれたら嬉しい限り。


モニターの表紙をめくると、

それぞれの出来事が鮮明に蘇る。また、人々も懐かしい。
あの頃の体験は二度と味わえない。

たまにネットオークションで見つかる昔のモニターを見ても、当時使っていた人の名前が入っている
ことが多い。また、昔のモニターはそれこそCypher（サイファー）と呼ぶに相応しいほどの暗号化が
施されている。私は内容を知っているからおよそ検討がつくが、何も知らない前提だとまず読めない。

そう考えると、現在のモニターは随分と簡単になったのだなと思う。
英語圏の人であれば、私のモニターを読もうとすれば大体何となく分かってしまうのではないか。
日本語のモニターも、平易な方であればおよそ何が書いてあるか分かってしまう気がする。

さて、モニターに慣れすぎて、私の感覚が麻痺してるのか。